食物繊維の働き
一日に20グラムから25グラムの食物繊維の摂取が必要とされていますが、この食物繊維は便秘の解消にも欠かせない栄養素です。芋類にも食物繊維が豊富に含まれています。
私たちは食物繊維を栄養素のひとつとしてひとまとめに考えがちですが、実は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維といった2つに大きく分かれます。
水に溶けやすい水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇をおさえたり、お腹を満たして食べすぎや空腹感をなくしたり、糖質をゆっくり吸収したりといった働きがあります。
芋類や海藻類、果物などはこの水溶性食物繊維を多く含んでおり、さといものようにネバネバしていたり、こんぶやワカメのようにヌルヌルした形状であることが多いのもひとつの特徴です。水に溶けにくい不溶性食物繊維は、豆類、野菜、穀物などに多く含まれる食物繊維です。
腸内でふくらむことで便の量を増やしたり、腸のぜんどう運動を活発にして排便を促したりといった働きがあります。どちらの食物繊維も発酵性があり、善玉菌を増やすことで腸内の環境を綺麗にしてくれます。
その働きは不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維のほうが大きいようですが、どちらの食物繊維も便秘の解消にはとても効果的です。
カルシウム
カルシウム(Ca)は、丈夫な骨と歯を作る日本人に不足しがちなミネラルです。
カルシウムは、他のどのミネラルよりも体内に多いミネラルで、全体重の約1.8%に相当します。カルシウムの99%は骨にあり、残りの1%は血液中に溶けています。
カルシウムは、体内でリン酸とくっついて、硬くて丈夫なハイドロキシアパタイトという結晶になっています。これによって、健康な骨と歯をつくります。
また、血液凝固や筋肉収縮、神経の興奮の抑制、血圧のコントロールなど重要な役割をしています。ビタミンDやクエン酸は、カルシウムの吸収を促進します。
最近は、ダイエットに励む女性や一人暮しの男性のカルシウム不足が顕著です。将来、骨粗鬆症になる恐れがあるので注意が必要です。
鉄
鉄(Fe)は、貧血を予防します。鉄の多くは、ヘモグロビンの原料になっています。ヘモグロビンは、肺から体のすみずみへ酸素を運ぶ赤血球の成分です。このため、鉄が不足すると酸欠状態を招くき、貧血や冷え性、疲労倦怠、頭痛、思考力の低下、発育不全などの悪影響がでてきます。
これ以外の鉄は、骨髄、肝臓、脾臓、筋肉などに蓄えられています。
鉄は、1日に約1mg消費しますが、食事で摂った鉄の総量の約8%しか吸収されないので、消費量の10倍(男性)から12倍(女性)は摂取する必要があります。
鉄は、ヘム鉄(肉類・魚に多く含まれる)と非ヘム鉄(野菜に多く含まれている)があり、ヘム鉄の方がよく体内に吸収されます。非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒にとると吸収がよくなります。
コーヒーのカフェイン、カルシウム、加工食品に含まれるリン酸塩は、鉄の吸収を妨げるので注意が必要です。